大型のシェルターやテントが流行したことで、テント内に小さなテントを入れるカンガルースタイルはすっかり定番のスタイルの1つです。
結露の軽減や虫対策、プライバシーの確保などなど、メリットの多いレイアウト方法ですが、そんなカンガルースタイルにぴったりなテントがGOGlamping(ゴーグランピング)から発売されました!
さらに、カンガルースタイルとしてだけでなく、コンパクトなソロテントとしても十二分に使えるポテンシャルを持っており、発売後すぐに品薄となってしまったほどの人気っぷりです。
本日はそんなGOGlampingのソロテントを実際にキャンプで使用してみた感想を紹介します。
- GOGlamping SKY EYE T/Cソロテントとは
- GOGlamping SKY EYE 開封と付属品
- GOGlamping SKY EYEを夏キャンプで使ってみた
- オールシーズン使えるT/Cソロテント
GOGlamping SKY EYE T/Cソロテントとは
今回紹介するのはGOGlampingのソロテント『SKY EYE』です。ブログで紹介するにあたり、メーカーから提供していただきました。
横幅210cm×奥行き90cm×高さ112cmというコンパクトなサイズながら、嬉しい機能がギュッと詰まったソロテントになります。
カラーバリエーションはブラックとタンの2色に加え、2ndロットで新たにグリーンが追加されるそうですが、私は1stロットでしたのでブラックを選びました!
特徴を1つずつ見ていきましょう。
T/C(ポリコットン)生地を採用
まず特徴として、生地がT/C(ポリコットン)素材というポリエステルとコットンの混紡素材を採用している点が挙げられます。
ポリエステル生地に比べると遮光性や通気性が高く、それでいてコットン100%のフルコットン仕様に比べると安価という、使いやすくバランスの良い素材です。
ちなみにフロア部分は水に強いポリエステル生地にしているため、下からの水の侵入も防ぎやすくなっています。
メッシュの開口部が多く、虫を防ぎつつ涼しく過ごせる
SKY EYEは前後に出入口が用意されており、両方ともメッシュにして風を通しやすい構造になっています。
さらにはSKY EYEという商品名の由来にもなっている天窓部分、こちらもメッシュになりますので、前後と天面の計3面をメッシュにして開放できます。
前後で高さの異なる形状
上部を通るポールは前後で高さが異なり、高い方が112cmで低い方が102cmとなっています。
そのためカンガルースタイルにする際はシェルターの奥ギリギリまで寄せやすいため、シェルター内レイアウトの自由度も高いです。
DOD フカヅメカンガルーテントSSとの違い
GOGlampingのSKY EYEの形状や仕様は、DODの『フカヅメカンガルーテントSS』と似ている点が多いです。
サイズはほぼ同じですが、仕様を見比べるとSKY EYEの方が横幅・奥行き・高さそれぞれ3~5cmほど小さいようです。
また、フカヅメはT/Cでなくコットン100%となっており生地そのものの通気性や透湿性はフカヅメの方が良さそうですね。
一方でSKY EYEは天面もメッシュになるので全開放時の風通しはSKY EYEが有利なのではないでしょうか。
あとは気になる価格ですが、やはりフルコットンの方がT/Cよりも高価になるため、フカヅメSSは14,980円なのに対してSKY EYEは10,980円とかなりお手頃なお値段に抑えられています。
コットン100%の質感か、天窓の機能性とお手頃価格か、どの点を重視するかで選ぶのがおすすめです。
GOGlamping SKY EYE 開封と付属品
それではGOGlamping SKY EYEを開封して見てみましょう。
収納袋もT/C素材なのでガサガサしなくて良いですね。肌触りが心地よいです。
コンプレッションベルトが付いているので、ギュッと絞ってまとめられます。
中身を取り出してみました。
収納袋の内側にメッシュポケットがあり、GOGlampingの商品カタログが入っていました。
まだ開発中の新作情報も書かれており、今後の展開も楽しみですね。
組み立て説明書は収納袋に縫い付けられています。
このタイプは紛失の心配が無くて大好きなので、個人的にはかなり嬉しいポイントです。
テント本体もコンプレッション機能付きのベルトでまとめられています。
これは以前に購入した同メーカーのT/Cタープと同じ仕様ですね。
テントを広げていくと、同じ生地の袋に入った付属品が出てきました。
中身はポールが2本とペグが4本です。
付属のペグを使うことはありませんが、コンパクトで邪魔にもならないので袋に入れっぱなしにしておきます。
ポールは先端がシルバーの物と赤い物が1本ずつという構成です。
GOGlamping SKY EYEを夏キャンプで使ってみた
GOGlamping SKY EYEを実際にキャンプへと持って行ってみました。
この日は最高気温34℃の夏キャンプです。
蒸し暑い夏キャンプでの使用感を詳しく見ていきましょう。
2~3分で組み立てられる簡単設営
まずはポールを組み立てていきます。
ショックコードで繋がっているので楽ちんですね。
2本のポールは先端がシルバーと赤色に色分けされており、それぞれ黒と赤のグロメットに挿入します。
黒いグロメットがついている方がテントの手前側(高さ112cm側)になります。
四隅のグロメットに挿入した状態がこんな感じです。
続いて、ポールをクロスさせてテントの面ファスナーで固定していきます。
説明書によると、面ファスナーで固定してからテントのフックをポールに引っかけていくという手順になっていますが、下部のフックを先に固定しておいた方が立てやすいと感じました。
フックを全て引っかけて張りを調整すれば完成です!
組み立てにかかる時間は2~3分ほどですね。
ポールの柔軟性も高く、組み立てに力は必要ありませんので、炎天下での設営もサッと済ませられるのがありがたいです。
遮光性・通気性に優れた自由度の高いソロテント
ブラックカラーのT/C生地ということで遮光性の高さは優秀です。
天面をメッシュにするとご覧の通り、太陽が照り付けている晴天ですが、T/C生地が光をシャットアウトしてくれます。
それでいて前後と天面をメッシュにして開放できるため、レイアウトの自由度も高いと感じます。
SKY EYE単体で使用する際には天面を閉じて日陰を作ってあげた方が涼しいですが、たとえば同じく遮光性の高いタープを上に張ってあげれば陽射しをタープで防ぎつつSKY EYEは天面も開放して風通しを最大限に高めて、より快適に過ごせそうです。
同じGOGlampingのウイングタープ風のヘキサタープ『山帆ヘキサタープ TC』などを組み合わせて使ってみたいですね。
SKY EYEをOneTigris CONIFERに入れてみた
今回はタープを使わず、SKY EYEをインナーテントとして使ってみることにしました。
組み合わせたのはOneTigris(ワンティグリス)のT/Cティピーテント『CONIFER(コニファー)』です!
CONIFERは標準で二股ポール仕様となっておりテント内空間に余裕があるうえ、さらにはインナーテントが付属していないため、まさに今回SKY EYEを組み合わせるのに最適だと考えて持ってきました。
入れてみるとこの通り、SKY EYEのポールがわずかにCONIFERの生地と干渉します。
ただ、キツキツというわけでもなく、CONIFERのファスナーも問題無く閉められます。これなら全然アリですね。
ソロ用のティピーテントですとCONIFERならギリギリ入るといったサイズ感ですので、ひと回り小さい高さ150cmのBUNDOKのソロティピーやWAQのAlpha TCあたりでは入らないでしょう。
先日、テンマクデザインのパンダ TCプラスをポチりましたので、機会があればパンダにも入るかテストしてみます。
CONIFERに話を戻し、レイアウト再考です。
テントの真ん中を陣取る形にはなりますが、90°回転させたこの向きであればポールは干渉しません。
クローズしてもこの通り、テント生地がポールで盛り上がることなく閉じられています。
…なのですが、やはりCONIFERにSKY EYEを入れるならば最初の向きがベストだと感じました。
と言いますのもCONIFERの背面には三角形状の大きなベンチレーターがあり、その前にSKY EYEを配置することで一直線に風を通すことが出来るのです。
CONIFERもT/C生地ですから遮光性も優れており、陽射しを遮りつつ風を通せて、滅茶苦茶快適に過ごせます!
この組み合わせはかなりおすすめだと感じました。
通常サイズのコットは入るがワイドタイプはNG
SKY EYEのサイズは横幅210cm×奥行き90cmですが、これはグロメットのついたベルト部分まで含めてのサイズです。
フロア部分はひと回り小さく、横幅200cm×奥行き82cmほどとなり、メーカーに確認したところ188cm×70cmのコットまでは入れられるとのことでした。
そのため最近少しずつ増えてきているワイドコットを入れられないですね。
もしもワイドコットと組み合わせたい場合は、コットの上にSKY EYEを載せると良いでしょう。
実際に通常サイズのコットを入れてみましたが、当然ですが入口部分はさらに狭いためコットを入れる際はテントをグイグイとしならせながら入れる必要があります。
テントやコットを破損させないよう要注意ですね。
シートにポールを通すタイプでなく、折りたたまれている状態から広げるタイプのコットでしたら、先にSKY EYEの中に入れた状態で組み立てる方が良いかもしれません。
ちなみに組み合わせたコットはZUKK(ズック)の『Barca Cot(バルカコット)』です。
4本脚で耐荷重200kgとなっており、重量級キャンパーも安心して腰掛けられます。
コットを入れると前後左右ともにスペースはほぼ無くなりますが、高さには余裕があるため寝てみると圧迫感はありませんでした。
ポータブルクーラーと組み合わせて快適夏キャンプに挑戦
さて、今回私がCONIFERとSKY EYEを組み合わせるカンガルースタイルを選んだのは、実はもう1つ理由があります。
それが「ポータブルクーラーで夏キャンプを快適に過ごせるのか」という検証を行うためです!
タープ下に道具を出しっぱなしのタープ泊ですと、寝ている間に高価な道具を盗まれてしまう可能性もあります。
また、冷やす空間をソロテントのみと限定して最小限にすることで、より冷却効果を高められると考えました。
その結果、「CONIFER内にポータブルクーラーを設置し、冷たい風の出るダクトホースのみをSKY EYEに通す」というレイアウトになったのです。
SKY EYEは出入口がダブルファスナーとなっているため、ダクトホースを挟むのにもぴったりですね。
この写真ではSKY EYEの出入口はメッシュにしてありますが、ポータブルクーラー稼働時はSKY EYEのみを冷やすためクローズしています。
モバイルバッテリーやポータブル電源からケーブルをテント内に引き入れるためのファスナーがSKY EYE下部に用意されているため、そちらを利用して温度計のセンサーをSKY EYEの外に出すことに。
検証の気になる結果ですが…キンキンに冷えてやがりました!
CONIFERの室温が26~27℃という中で、SKY EYEは22~23℃で至極快適に過ごせました。
SKY EYEの天井にはランタンを引っかけられるフックがついているため、そちらにポータブル扇風機を引っかけてテント内の空気をかき回すことで快適さがさらにアップ!
自宅の部屋で過ごしているくらいの居心地でした。
ポータブルクーラーについてさらに詳しく知りたい方は、ポータブルクーラーと組み合わせたPECRONのポータブル電源『E600LFP』のレビュー記事に書いておりますので、そちらもチェックしてみてください。
撤収もあっという間に完了!
撤収は組み立てと逆の手順で行っていくだけなのですが、その前にテントを乾かしておきましょう。
軽量で持ち上げるのも楽ですので、ひょいっとひっくり返してテント底面も乾燥させておきます。
フロア部分はポリエステルですが、丸めて収納袋に入れて保管しておくことを考えると、全体をしっかり乾かしておいた方が安心ですね。
SKY EYEに限らずテント撤収のコツは「収納袋の幅より少し短くなるようにテント生地を折りたたみ、ポールに巻きつけていくこと」です。
テントを巻いていくうちに少し横に広がるため、巻き始めの時点で収納袋の幅ぴったりにしてしまうと最後に袋へ入れにくくなりますので注意しましょう。
もしくは折りたたんだポールの長さが収納袋の幅とほぼ同じ長さであれば、ポールの長さを目安にしても良いですね。
ポールを中心にテント生地で巻き付けたらベルトで固定します。
コンプレッション機能付きのベルトですので、緩くした状態でバックルを固定してからキュッと絞ってあげましょう。
これだけで、簡単に袋へ収納できます。
折り畳み傘のようなフレームのワンタッチテントと異なり、ポールを通して組み立てるタイプのテントはある程度ギュウギュウと押し込んでも折れる心配がそんなに無いため撤収も簡単です。
気になった点や注意点
全体的にSKY EYEの満足度は非常に高いです!
実売1万円ほどという価格を考えれば、なおさらですね。流石はコスパに定評のあるGOGlampingの新作です。
コスパとはコストパフォーマンス…つまり「その値段に対する効果や性能の高さ」を対比した言葉であり、「安い」=「コスパに優れている」ではありません。
たとえば、いかに安くても不具合等で使い物にならなければパフォーマンスがゼロなのでコスパは悪いです。
一方で、高級製品と同等の水準を求めるのは酷ですが、自分が気にならない・許容できる程度の品質で、それでいて機能・性能が高級製品に近いのであれば、それはコスパが高いと評価できるでしょう。
それでSKY EYEはどうだったかと言うと、糸くずが多少付いていたり飛び出ていたくらいで、不満はほぼゼロです!
糸くずはこんな感じでメッシュ部分だと分かりやすいですが、細かい物が10~20本は付いていたかなと。
縫製については糸がぴょろっと出ている部分もありましたが、破れや穴などの致命的な不具合はありませんでした。
先程も言いましたが、1万円ほどの製品なら全く気にならないレベルだと個人的には評価しています。
あとはT/C生地のテントの特徴として「ポリエステルに比べて火の粉に強い」という点がよく挙げられ、そのため「T/C生地のテントは焚き火との相性もバツグン!」などと言われることも多いです。
しかし、このSKY EYEの場合はメッシュ部分がT/C生地の外側にあるため、当然ですが火の粉が当たればメッシュに穴が開いてしまいます。(そもそもT/C生地も耐火というわけではないですが)
そのため焚き火の目の前にSKY EYEを置いて過ごすというのは避けた方が良いでしょう。
オールシーズン使えるT/Cソロテント
焚き火の目の前で使うのがNGであれば「何故T/C生地のソロテントを選ぶのか」ですが、やはりオールシーズン使える対応力の高さが魅力ではないでしょうか。
通気性のみで言えばフルメッシュのソロテントに軍配が上がりますが、T/C生地のSKY EYEならばタープ等を併用しなくても単体である程度の太陽光は遮れます。
それでいて前後をメッシュにして通気性を高めたり、タープやテントで日陰を作れば天面も開放して、フルメッシュテントに負けない風通しの良さを実現可能です。
さらに冬には結露対策としても使えるのは言わずもがな、T/C生地のソロテントは暑い夏から寒い冬まで1年を通して活躍が期待できるアイテムなのです。
そんな万能アイテムが1万円ほどで手に入るのですから、GOGlampingのSKY EYEはまさに「コスパ最高!」の一言に尽きますね。
発売後すぐに品切れしてしまったほどの人気テントですので、再販して在庫があるうちに逃さずゲットしてみてください!