レクタタープやヘキサタープ、ウイングタープなどなど、タープには様々な形状があります。
アレンジ張りのしやすいレクタタープや、ただ張るだけで格好良くキマるヘキサタープ、前後で高さが異なりテントの前室としても相性が良いウイングタープなどそれぞれ特徴があり、「どんな風に張りたいか」「何と組み合わせたいか」によって最適解は異なります。
そんなタープから今回紹介するのは「ただ張るだけで格好良く、アレンジ方法も多彩で、テントとの相性も良いうえに火の粉にも強い」というまさに良いとこどりのT/Cヘキサタープです。
GOGlamping 山帆ヘキサタープ TCとは
今回紹介するのはGOGlampingのT/Cヘキサタープ『山帆(やまほ)ヘキサタープ TC』です。ブログで紹介するにあたり、メーカーから提供していただきました。
4.2m×4.1mとソロ~デュオキャンプに適したサイズ感のヘキサタープですが、長さの異なる前後非対称な形状や、中央に施されたシームテープ加工などなど、GOGlampingらしく工夫が随所に盛り込まれたタープとなっています。
カラーバリエーションはブラックとタンの2色でしたが、新たにグリーンが追加され、せっかくなので私は新色のグリーンを選びました!
特徴を1つずつ見ていきましょう。
T/C(ポリコットン)生地とシームテープ処理で全天候対応
まずは生地について、ポリエステルに比べて難燃性や遮光性も高いT/C(ポリコットン)生地を採用しています。
そのため陽射しを遮って涼しく過ごしたり、また火の粉で穴が開くリスクがポリエステル素材よりも低いためタープ下で焚き火をする際にも安心感が高いです。(※防炎素材ではありません)
一方でT/C素材は水が染み込むためポリエステルに比べると雨に弱いとされていますが、生地への撥水加工・防カビ加工に加え、中央の縫い目にはシームテープ処理がされており、多少の雨であれば心配ありません。
晴れから雨まで安心して使える全天候型のタープですね。
ヘキサとウイングの良いとこどりな形状
続いて形状について、分類としては六角形のヘキサタープとなりますが、前後で非対称となっていてウイングタープのようにも見える特徴的な形状をしています。
このため、タープ単体で張れるのはもちろん、テントと組み合わせた際には最小限の設営スペースで前室部分を広く確保できたりと、ヘキサタープとウイングタープの良いとこどりが可能です。
豊富なループでアレンジが自由自在
タープのアレンジ張りといえばレクタタープが浮かびますが、山帆ヘキサタープにはハトメやループが計12ヶ所も用意されており、様々な張り方に対応しています。
パップテント型やシェルター型など、タープ泊に慣れている方ならば山帆ヘキサタープのみで一晩過ごせそうですね。
ちなみに私はタープとテントの組み合わせが好きなのでタープのみで寝泊まりはしませんが、ループが多ければ風や雨など天候の状況に合わせて跳ね上げたり雨水を流すように引っ張ったりできるので、ループが多いことはやはり大きなメリットとなります。
細かい工夫で使い勝手アップ
生地に形状、ハトメやループと、タープの基本的なポイントがしっかり押さえられている山帆ヘキサタープですが、それだけでなく「あったら良いな」な細かい工夫が光ります。
四隅にはポケットが用意されており、余ったロープなどを収納しておけます。
また、長くなっている方の角にはランタン用のリングが付いているため、ランタンフックを忘れた場合でもランタンを引っかけられます。
こうした地味ながらあると嬉しい細かい工夫は、実際にキャンプをしている人でなければ思いつかないものです。
そのような点からも、GOGlampingは作り手側がしっかりとフィールドで製品を使いながら企画や開発を進めているのだろうと想像できますね。
GOGlamping 山帆ヘキサタープ TC 使用レビュー
GOGlamping 山帆ヘキサタープ TCを実際にキャンプで使用してみました。
この日は最高気温30℃ほどで、まだ暑さが残る中での秋キャンプでした。
そして安定の雨男っぷりを発揮し、1日目の夜には雨にも降られています…
さて、そんな中での使用感を見ていきましょう。
GOGlamping 山帆ヘキサタープ TC 開封と付属品
まずは山帆ヘキサタープを開封して付属品をチェックしていきます。
GOGlampingのT/C素材の商品は提供品も含めるとこれで3つ目ですが、まず収納袋が良いんですよね。
袋もT/C素材なので肌触りが良く、コンプレッションベルトもついていて使いやすいです。
中身を取り出してみました。説明書は収納袋に縫い付けられています。
タープ本体はカラフルなコンプレッションベルトでまとめられている、毎度おなじみの状態です。
開いてみるとペグ・ロープの入った袋が出てきました。
中身は以下の通り。
- 4mガイロープ(ベージュ)×4
- 2.5mガイロープ(黒)×4
- 蓄光ペグ×8
ベージュの方が長いロープになります。
また、タープポールは付属しませんので用意しておきましょう。
私は今回、レイアウトに合わせて調整できるようFIELDOORのカーボンタープポールを3種類用意してきました。
基本形で設営してみた
本日のキャンプレイアウトをどのようにしていくかを考えつつ、まずは山帆ヘキサタープを基本形で立ち上げることにしました。
その前に、タープを地面に広げつつ細部を見ていきます。
こちらが中央のシームテープですね。
そしてこちらが四隅のポケットになります。
ベルクロが付いていますので、丸めたロープくらいの大きさならば隙間から落ちてくることも無いでしょう。
それでは立ち上げていきます。
まずは長い方であるベージュカラーのロープの出番です。
メインポールには240cmのカーボンタープポールを使用することにしました。
タープのハトメにポールの先端を通し、その上にロープを結んで通しておきます。
メインポールに対して45°の角度でロープを伸ばしてペグダウンしていきます。
ちなみにペグもポールに合わせてカーボンで揃えています。
チタンペグも愛用していますが、カーボンペグの方が鍛造ペグと同じくらいに太いため、地面が柔らかい場合やタープのメインポールと結ぶような力のかかる場所に使用する場合にはカーボン、それ以外にはチタンという形で使い分けています。
テントやタープ付属のペグを使うことはまず無いですね。
ポールを立ち上げてみました。
風がありますが、このようにポール2本とロープ4本だけで1人でも安定して立ち上げられます。
この手順は山帆ヘキサタープ以外でも通常のヘキサタープやレクタタープも同様ですね。
四隅のハトメに短い方の黒いロープを結んでいきます。
タープの生地が伸ばされてピンと張られる方向を確認しながらロープをペグダウンしていけば基本形の完成です。
前後非対称の形状ですので、前後のポールの長さを揃えてしまうとむしろ不自然に見えるような気もします。
というわけで、後方のポールを240cmから120cmへと短くしてみましょうか。
いや、格好良いな???
曲線を描きながら前方へ向かって高く伸びていくラインが格好良すぎます。
真後ろから見てみた様子です。
ご覧の通り、センター2ヶ所のループなども一切使わずに文字通り「ただ立てただけ」でこの格好良いシルエットになるわけです。素晴らしい。
GOGlamping SKY EYEと組み合わせ
続いて、以前に紹介した同じGOGlampingのT/C生地製ソロテント『SKY EYE』を組み合わせてみます。
先程の前方240cm・後方120cmのポールで設営した山帆ヘキサタープの下にSKY EYEを置いてみた様子です。
前室を作るためタープの真ん中よりも後方寄りに置いてみると、SKY EYEのポールと干渉はするものの、正直これでも全然イケそうです。
むしろSKY EYEのポールに守られることでタープの生地とテントの生地が直接触れないため、雨が降ってきた際にテントの生地まで水が染み込んでくるのを防げるのではないでしょうか。
T/C生地の遮光性はやはり優秀で、タープの下にいると涼しさが段違いですね。
ちなみにSKY EYEも最近グリーンが発売されましたので、ブラック・タン・グリーンでそれぞれタープとテントを揃えることも可能です。
SKY EYEについて詳しくは、こちらのページで紹介しています!
OneTigris CONIFERと組み合わせ
今回私が山帆ヘキサタープと組み合わせたいと考えて持ってきたテントがOneTigrisのT/Cティピーテント『CONIFER』です。
と言いますのも以前にCONIFERでキャンプをしていた際に雨に降られたのですが、CONIFERは前室側を跳ね上げていると雨に対してとにかく無防備になります。
ポータブル電源やポータブル冷蔵庫等、雨に濡れさせたくない機材も多数あるため、CONIFERと組み合わせやすいタープを探していたところに今回の依頼が来たというわけです。
まずはタープポールの長さを前後ともに240cmへと戻し、CONIFERがタープ下に入るかの確認をしていきます。
ポールが240cmでCONIFERが180cmですので余裕ですね。
このように張るのであればCONIFERの出入口がある横方向をタープで覆えるように90°回転させても良さそうです。
またCONIFERの頂点にはタープ接続用と思われるループがありますので、タープを直接テントに繋いで前室をより大きく確保するレイアウトもアリですね。
そんなこんなで本日のレイアウトはこのような形になりました。
前方側240cm・後方側180cmの構成でタープをやや前上がりにした形です。
CONIFERの前側も跳ね上げていますが、左右をタープが多少守ってくれるため、少々の雨ならば荷物も守れます。
実際にこの日の夜も雨に降られたのですが、以前のようにCONIFERをクローズする必要もなく、前室側を跳ね上げたまま過ごせました。
それどころか、結局この日はCONIFERの前側を開放したまま眠ってしまったほどです。
この日はポータブル電源とポータブル冷蔵庫のテストも兼ねていたので、雨で右往左往しなくて済んだのはとにかく楽で助かりました。
明け方には雲もすっかり晴れて、目の前には富士山が広がっています。
富士山なんて毎日見ている静岡県民ですが、やはりキャンプの朝の富士山は格別です。
撤収時には四隅のポケットが大活躍
撤収作業を見ていきましょう。
タープを張っている日は先に他の物を片付け、最後にタープをサッと撤収する流れにすると、雨の日も濡れるのを最小限に抑えられます。
そんなタープの撤収作業ですが、ここでも山帆ヘキサタープの仕様が大活躍します。
それが四隅のポケットですね。
ロープをいちいち解いてハトメから外すのも面倒くさいですし、かと言って結んだままタープを畳んで袋に突っ込んでしまうと袋の中でロープが絡まって次回の設営時に手間がかかります。
山帆ヘキサタープならば四隅のロープはポケットに突っ込んでしまえば良いだけなので、滅茶苦茶楽です。
1本ずつならば複雑に絡んでしまうことも無いため、縛りもせずにクシャクシャっと突っ込んでおくだけでも問題ありません。時短にありがたいですね。
四隅のロープをそれぞれポケットに入れたら、あとはメインポールとロープを外して畳むだけです。
収納袋の幅に合わせてタープを折り畳み、くるくる巻いていきましょう。
コンプレッションベルトをギュッと締めたあたりでペグ・ロープの袋をタープで巻いて包んでいなかったことに気付きましたが、収納袋は余裕のある設計なのでそのまま入れればOKです。
気になった点
山帆ヘキサタープを使ってみて気になった点ですが、正直無いですね。
ダメな物はダメと正直に伝えるスタイルなのですが、それでもイマイチな点が見つかりませんでした。
あ、無理矢理挙げるとしたら黒いロープの自在金具が1つだけ逆向きに取り付けられていたことくらいでしょうか。
ベージュのロープが正しい状態で、黒いロープが誤った状態です。
直すのも大した手間ではないので、撤収時に自分で正しい向きになるようロープを通し直しておきました。
そんな細かい点でしか不満が見つからないくらいには、非常に優れた製品ですね。
1つ注意点があるとすれば、山帆ヘキサタープはあくまでソロ向けの製品であり、グループキャンプで使用するには面積が小さいということです。
「良いタープらしいからとりあえず買っておこう」ではなく、タープをどんなシーンで使うのか、スタイルやレイアウトと相談したうえで選びましょう。
とにかく使い勝手が良いイケメンタープ
山帆ヘキサタープは夏から冬、晴れから雨まで全気候・全天候で使える万能タープです。
「ただ張るだけ」で格好良く、そのうえ見た目だけで終わらない細かな工夫で使い勝手も高められており、ソロキャンプ用のタープを探していた人には自信を持っておすすめできます。
それだけ優れていながらお値段は驚きの9,280円と、GOGlamping製品のコスパの高さには脱帽ですね。
格好良く使いやすいタープをお探しの方はぜひチェックしてみてください。